鎌倉の環境を愛する会の活動アーカイブ

私たちは、2014年以来この様な活動をしています


鎌倉の環境を愛する会例会
2023年1月23日

*討議事項。鎌倉市民連絡会議との協力、連絡網変更、名越炉停止後問題等
次回例会 2月24日(金)13:15時~ NPO大船

鎌倉市役所位置条例否決

 2022年12月議会。深沢移転は否決されました。26人の議員のうち、16人が賛成、10人が反対。 三分の二の賛成が得られなかったことで移転の条例は否決されました。
 鎌倉の環境を愛する会は鎌倉市民連絡会の中心となって、市議会議員との面談やお願い文届け、 庁舎前宣伝、議会傍聴等を行いました。否決は議員の良識によるものですが、市民の声を届けたことも多少は効いている と思います。
しかし新年の市長記者会見や広報かまくらでは、否決の意義を軽視し、六月に再定案をするとしています。

町田バイオエネルギーセンター見学記

2022年1月に本稼働したごみ処理施設を5月に見学してきました。
持ち込まれた燃やすごみは破砕選別装置にかけられます。分別した有機性のごみは 発酵槽に投入し微生物の働きでバイオガスを発生させます。 その他のごみの燃焼で発生した熱は蒸気タービンに、バイオガスはバイオガス発電機で それぞれ高効率の発電をしています。 蒸気タービンの蒸気の一部は市立の温水プールに送っています。温浴施設もできる予定です。 特に生ごみだけを分別収集しないで、燃やすごみとしてまとめて破砕し、 その後に選別・発酵する方法は画期的なものでした。
不燃・粗大ごみ施設も敷地内にあり、資源化しています。様子のいい家具などは手直しして販売しています。
大きな施設ですがごみの匂いがしません。開口部は負圧にし、集まる臭気も燃焼によって 消すといった配慮がされています。総工費約300億。維持管理費年4.6億円とのこと。(人口は鎌倉市の2.5倍) バイオガス化を含めたごみ処理施設はかつて鎌倉市も計画していたもので、町田市職員 からも私たちに「残念でしたね」と声をかけられました。 この施設を建設するために町田市は徹底した「市民との対話」をしてきました。 ごみ処理施設は生活に欠かせないインフラです。市民の理解、協力により環境にやさしい施設を作り上げた 自治体の文化度がわかります。

私たちが見た鎌倉市のごみ処理施設

会の始まり時期に市内の施設見学を行いました。ざっくり見学記を書き、追記もしています。

<1 名越クリーンセンター>
稼働中の鎌倉市唯一の焼却炉
1982年建設。2015年の延命工事で2024年までは使用できるということです。

構内は清掃が行き届き清潔、 ごみ回収のパッカー車もよく磨き上げられ、シンボルカラーの白と青が冴えています。ごみピットが開いた時以外は 殆どごみ臭を感じませんでした。


<2 坂ノ下積替所>
収集した不燃ごみや危険ごみ、製品プラ、使用済食用油等を 品目別に集積し、各々コンテナに積込み、処理工場への搬送を手配。

鎌倉海浜公園プールの隣で、さぞ風光明媚と思いきや作業場は殆ど野天。収集物を積み上げる 差し掛けの小屋があるきりですから、冬場木枯しの吹き付ける日や梅雨どき、 台風の中での作業は困難をきわめることでしょう。


<3 今泉クリーンセンター>
 1973年建設
 2015年、今泉の住民との協定で焼却停止。
 収集後処理施設へ搬入する中継施設の役割を担っています。
 停止後ピットの滞留物からの臭いに苦情が出ていましたが、消臭剤投入で現在は低減しています。
 市の計画では、ここに4t規模の、久喜・宮代方式の生ごみ減容施設を導入するとしていますが住民は納得していません。
 2022年10月現在煙突は撤去され、古びた建物があり、収集したごみを名越や埼玉県寄居町に運ぶ中継施設となっています。
 名越処理場停止後に備え、ここに市内全域のごみを集積する準備を進めています。
大型車両のすれ違いにも問題がある道路の先の施設に、ごみを運び込む車輌や、市外へ積み出す大型車輌の増大が危惧されます。


<4 笛田リサイクルセンター>
2階の選別工場では、回収した缶を磁選機でアルミとスチールに分け、ビンは手作業で色別にカレット化。

缶や瓶に中身が入ってたり、汚れていたり、異物が混ざっていたり、においと騒音のきつい仕事場です。 ベルトコンベアの周りで作業しているのは清和学園の生徒たち。学園のマイクロバス送迎で通っています。
缶は圧縮パック、ガラスカレットはドラム缶で、 ミックスペーパーは圧縮梱包、それぞれの処理工場へ搬出しています。

鎌倉リサイクル推進会議の活動拠点でもあります。


<5 植木剪定材受入事業場>
関谷にあります。以前はここに埋めていましたが、今は大型車に積み替えるための集積場になりました。
剪定材は委託業者タケエイが山梨県の工場へ送り出し、そこで堆肥化しているとされていました。 しかしタケエイは2019年秋からは横須賀市に運び、燃やしていました。2020年にそのことが判明し、契約解除に。 あらたに茅ケ崎の事業者と契約。藤沢市石川で堆肥化しています。

堆肥の一部は鎌倉市に持ち帰り、希望者に配布しています。茅ケ崎の業者に委託して以降、堆肥の質が向上していると評判です。

配布場所は市役所、リサイクルセンター、今泉クリーンセンター、腰越支所等で日にち限定です。


<6 株式会社テクノトランス>
 ペットボトルと容器包装プラスチックを回収しています。
 混在する不適切なごみは手作業で除去しています。その後パッキングし、ペットボトルは再生工場へ。 容器包装プラは容器包装プラスチック協会へ送ります。混在物がある場合は協会に受け入れ拒否されます。
中身の詰まったままのボトル、生ごみや乾電池、ガラスや刃物、危険物が混じるなど、週に風呂おけ三坪分も 異物が集まるという状況にあり、市民のマナーが問われます。
年々プラの排出量が増大していることも問題です。



<7 深沢クリーンセンター>
 大きなし尿処理プラントがありますが今は解体を待っており、門は閉ざされています。
 2023年から市営住宅建設のためのプラント解体が始まり、跡地にはまず市営笛田住宅入居者用の住宅建設が予定されています。
 その後今の笛田住宅の解体、整地、そして集約した(鎌倉市全域)市営住宅建設が予定されています。
 現在山崎浄水場につながる公共下水道の入口、つまりバキュームカーからの放流口があります。これは市営住宅建設後も存続の予定です。

  写真左にプラントがあり、さくらの手前の広場などが住宅建設予定地。


<8 鎌倉市資源回収協同組合>
段ボール、牛乳パック、新聞、雑誌、本、紙箱などの古紙や古布などを回収 種類別にパッキングし、各処理工場に搬出。またビン、缶の収集も委託されるようになりました。

扱っている古紙のうち、牛乳パックと段ボールは特にリサイクル効果が高いということです。
排出された古布でまだ着られるものは古着として主に東南アジア方面に船便で送ってきました。しかしコロナ禍 で海外に送れなくなり、現在はウェスとしてしか用いられていません。。
協同組合では、エコステーションも運営し、再生紙などを販売しています。


<9 山崎浄化センター>
下水終末処理施設。武道館の地下の沈殿池などで処理されています。
浄化された水は山崎川へ放流され柏尾川から海へ。ごみは施設内の炉で焼却、汚泥ケーキは委託処理。

構内の広場が2016年、新焼却施設建設地に決定されました。
しかし2019年11月には市長が「ごみ焼却施設は作らない」と宣言したため、建設地計画はなくなりました。


深沢開発市説明会 鎌倉市の秘密主義

2021年4月、深沢再開発の説明会が3回行われました。
大船工場の廃止が2006年。清掃工場の敷地選定問題、市庁舎移転計画などが起こった結果 都市計画決定の延期が続いてきました。
鎌倉市役所の仕事は形式にこだわり、実質よりも見栄え、民意よりも上のものへの忖度かと感じることもあります。
説明会では「村岡新駅の鎌倉市負担は4億円」の根拠が質問されました。
市は財源となる「用地販売面積」は絶対に公開しないと回答。情報公開には「黒塗り。」と即答。
地権者と市民の権利を守れるのか。心配です。

2019年消費生活展参加顛末

毎年行われてきた鎌倉市消費生活展にブースを設けることにし、「鎌倉市はごみ焼却場を作らない」 をテーマにパネルを作りました。すると鎌倉市から「書き換えなさい」と指示されました。 書き換えなければ展示はできないと言われ、やむを得ず忖度版を作りました。

  



消費生活市民相談課から指摘されたのは「この表現やイラストは市民の誤解を招き混乱させる」
「アンケートの質問事項もカットしなければ認められない」等でした。
表現したことは全て事実です。誤解を招くのではなく事実を知られたくないという市側の意向だと思います。
担当者も困った様子なので、表現やイラストを変えました。
結果としてフック船長の傑作、少々風刺のきいた当初の表現から、生ぬるいものに変わったのは残念でした。
ベイビーがうんちしながら「自分のおしりは自分でふきましょ!」というイラストを「下品」という市のセンスの無さ。
「市内に焼却場を作らない方がおトク」の市長発言を「書いてはいけない」という忖度市政にがっかりしています。

「村岡新駅建設見直しの陳情」を出しました


新駅陳情結果、深沢再開発を進める意見の中にまとめられ、会の陳情は継続審議。(実質棚上げ)
ひどい扱いに怒りを覚えます。

武蔵野クリーンセンター  2019.5
武蔵野市役所隣 最新式焼却炉見学
  人口14、5万人、予算規模680億。鎌倉市より人口は2割少なく、財政規模は1割多い。
旧工場の隣にほぼ100億円で新清掃工場を作り、その運営は荏原製作所に毎年
5億円、20年間の契約をしています。鎌倉だってできそう。
かつては三鷹市・調布市と合同で焼却場を持っていましたが、三鷹市民に清掃車の
侵入を阻まれ、市内に作らざるを得なくなり、市役所の向かいになりました。
住民との話し合いに重点を上げ「見せる化」した工場です。
市役所も含めて森の中で、建物のデザインも市民と一緒に考えました。
ガラス張りの中央制御室前に「今煙突から出ている煙の成分」情報の
タッチパネルがオシャレ。
見学者は年一万人。中学生が学校帰りに寄ることもよくあるという
居心地のよい場所です。臭気はどこにもありません。
ごみが集まるピットでクレーン操作を見ました。また粗大ごみの破砕の様子、
ガスコジェネ発電機などが見えて、分かります。
発電効率20%で避難拠点の機能など最新の施設はみごとでした。
けれども製品プラや家具などの粗大ごみどんどんピットに入れること、
実務が全面的に委託業者に任されていることについては疑問に思いました。



久喜・宮代生ごみ減容化施設視察  2018.7

鎌倉市は2018年久喜・宮代方式生ごみ減容化施設導入を図り、市議会に予算提案、市議会は「唐突だ」と否決。

鎌倉の環境を愛する会は埼玉県の施設を視察。
開放しの建屋に山積みの生ごみを、作業車が混ぜ、かたわらではネズミがチョロチョロ…。
臭気もなかなかのものです。
施設周囲は田畑ですが、風向きにより数百㍍離れた住宅から臭気に苦情が寄せられるとも。

市が計画するように、これを住宅地今泉に設置することに同意するとは思えません。。


町田市環境部訪問 2018.6
生ごみバイオガス化施設の2020年稼働を目指している町田市を訪ねました。

町田市はこの計画を実現するため、市長と市職員が将来の展望を熱意をもって市民に働きかけ、 2013年から「ごみゼロ市民会議」や、公募した市民134人による「資源循環型施設関連町作り会議」 を組織、話し合いの内容を広報誌で丁寧にしらせ、環境教育を充実しました。
今も「資源化施設地区連絡会」や学習会など重ね、市民の理解を深める努力をしているとのことです。


<負圧式焼却炉>
従来の焼却炉は空気を送り込み燃焼、負圧式は空気を吸込み燃焼。タバコを吸うような燃し方で、 考案者の前島さんは、静かな完全燃焼からクスクス焼却炉と名付けたと。 前島さんと、靖国神社で稼働中の焼却炉を視察。 ごみを詰込み、吸気モーターと排気バーナーに焼却炉の口から点火。 燃え始め、炉内温度やバーナー室温度など確認し担当者の仕事は終り、一日一回処理。 燃焼終り炉が冷えたら下の灰を取り出す。バーナー室はダイオキシン対策です。

煙突から無臭透明な気体が上りますが、周りの木々は青々。環境負荷も少なくランニングコスト も安いと環境省から認定され、南極や硫黄島などで稼働中とのことです。
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